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2014.09.29
災害に備えよう

中国地方の最近の土砂災害について

2011年7月16日 庄原市
広島県庄原市北部の川北町、西城町を結ぶ県道445号線を中心とする地域に3時間にわたる集中豪雨があり、洪水と斜面崩壊、土石流などの土砂災害が発生。
本地域は流紋岩類や安山岩類が主体の地域であり、土砂災害の起きやすいとされる広島型花崗岩類がほとんど分布していないにもかかわらず、崩壊や土石流の等の発生状況が非常に高密度であったこと等が指摘されている。

被害範囲

 東西3Km  南北2Km

降雨状況
(7/10~7/16)

 地区によっては500mm以上
 7/16(大戸地区)15:40~18:00:173mm
 1時間最大91mm

被害状況

 死者1名 重傷者1名
 全壊14戸 半壊14戸 床上浸水1戸
 一部損壊10戸 床下浸水36戸

公共土木施設の被害

 道路19箇所、河川39箇所



2013年7月28日 山口県・島根県
停滞前線の活動により、山口県北東部、島根県西部を中心に豪雨が発生し、河川が氾濫し堤防・護岸などが決壊や崩壊し大規模な災害となった。

被害範囲

 南北18㎞、東西15㎞

降雨状況  

 7/28(萩市・須佐)09:20~12:20の
 3時間雨量301.5㎜
 時間雨量:11時107㎜、12時137.5㎜

被害状況

 全壊49戸、半壊66戸 一部破損65戸
 床上浸水683戸 床下浸水693戸

 

2014年8月20日 広島市安佐南区・安佐北区
局地的な短時間大雨によって住宅地後背の山が崩れ、同時多発的に大規模な土石流が発生した。地質は48%の面積が「まさ土」の地盤だが堆積岩などの比較的固い地盤の流失も確認されている。

被害範囲

 東西12㎞、南北13㎞

降雨状況

(7/19~7/20)

 安佐北区上原   (累積)        287.0㎜
            (1時間最大) 115.0㎜
 安佐北区三入東 (累積)        284.0㎜
            (1時間最大) 121.0㎜

土砂災害発生件数

 土石流166件 がけ崩れ59件 合計166件

被害状況

 死者74名、重傷者8名、軽傷者36名
 全壊133戸 半壊122戸 一部損壊175戸
 床上浸水1,304戸 床下浸水2,811戸

 
平成26年8月豪雨を少し詳しく見てみると次のようなものである。
 2014年8月は中国地方を含め、四国九州北部近畿など西日本の広い範囲で月間降水量が平年の2倍を超える多雨となっていた。被災地の一つである広島市安佐北区の三入でも、災害発生の直前にあたる8月19日までの19日間で264.4mmの雨が降っており、平年を100mm以上上回っていた。数週に亘る雨によって、地盤の緩みが進行していたと考えられる。
 災害発生当時の8月19日夜から20日朝、北海道付近から対馬海峡付近にかけて南西の方向に停滞前線秋雨前線)が延び、前線に向かって日本の南海上から暖かく湿った空気が流れ込む状況にあった。このとき広島市付近では、上空の寒冷渦の影響などで大気が不安定であるとともに、下層(地表付近)では豊後水道を通って南から暖かく湿った空気が流入する一方、上空1,500m(850hPa)付近や3,000m(700hPa)付近では強い南西の風となっていた。下層の南風は、広島市の西方にあたる広島・山口県境付近の山地にぶつかって地形性の上昇気流を起こし、積乱雲を発生させる。これに上空の南西風がぶつかって積乱雲を強化しつつ、風下である北東の方向に押し流した。これにより、積乱雲が連続的に発生するバックビルディング現象が起きた。
 バックビルディングによる積乱雲列(線状降水帯)は南西に源を発して北東方向に延びる形状であり、20日の1時頃開始し、4時頃までの約3時間程継続したと考えられている。この積乱雲列は今回の被災地域の付近に停滞して、幅の狭い地域に局地的な大雨を降らせた。安佐南区緑井付近から安佐北区三入付近までの南西-北東方向に延びる長さ約40kmの楕円形の領域で、20日1時から4時までの3時間雨量が150mmを超えたと推定される。なお、他の地域のほぼ同じ時刻(1時半から4時半まで)の雨量を見ると、広島市中心部でも50mm以下の地域があるなど、大雨が局地的であったことを示している。
今回と同じような災害が、平成11年6月つまり15年前にも起こっていた。
 平成11年6月29日、中国地方に停滞した梅雨前線による集中豪雨は、夕方の3時間雨量が、広島市安佐南区で147㎜、呉市で156㎜に達し、同時に土砂災害を多発させました。被災箇所は、土石流等災害で139箇所、がけ崩れ災害で186箇所にもおよび、死者31名、家屋全壊154戸等、大規模な災害となりました。特に、被害は都市近郊の新興住宅地に集中し、都市型の土砂災害と位置付けられる。
 大雨の状況として、中国地方は6月23日梅雨前線上に発生した低気圧の影響で雨となり、25日午後一旦小康状態になった。26日午後再び梅雨前線上で低気圧が発生し27日朝まで広島県内は雨となった。28日夜から雨となり、29日朝には雷を伴った激しい雨が降った。午後からは、低気圧が山陰沿岸をゆっくり北東に進み、温かく湿った空気の流入が一段と強まったため、所々で雷を伴った激しい雨が数時間にわたって降り続き集中豪雨となった。
 被害の状況は、人の被害が、死者31名、行方不明者1名、負傷者54名。家屋の被害が全壊154戸、半壊101戸、一部損壊327戸、床上浸水1,363戸、床下浸水2,840戸。公共土木関係の主なものが、河川1,864箇所、道路1,251箇所、砂防施設460箇所、急傾斜169箇所などとなっている。
 この時の教訓が生かされていればと思うのは私だけではないと思う。


災害に対する備え

(1)生命の保全
 生命保険や生命共済は死亡に対する補償です。生命の保全に対する補償ではありません。自らの生命と安全は自ら守る以外には手段はありません。
 
  
  そこで、どうする

① 安全と思われる地域に居住することを選択する(災害危険区域を地図に示したハザードマップの確認や、旧住民からの情報収集など)
② 災害情報に常に気を付けて生活する
③ 何よりも自分が避難する事を優先する
④ 家族で避難場所・避難経路を確認しておく

(2)財産の保全
 形ある物はいずれ消滅します、災害は起こることを前提に備えましょう。全国のアメダス地点約1,300箇所における、1時間降水量・100㎜の年間延べ発生件数によれば、過去30年の内前半20年に比し直近10年では、2.2回から4.7回と増加しており確実に災害リスクは高まっていると言えます。

 そこで、どうする

① 火災共済だけでなく、自然災害共済にも加入する
② 建物への加入だけでなく、家財へも加入する
③ 避難中のけがに備え交通災害共済や医療共済に加入する
④ マイカーの車両補償に加入する
⑤ 残される家族のために生命共済「きずな」に加入する


                                JP共済生協 中国地方部  池上 正美

 

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